「毎月の生命保険料が家計を圧迫している…」「本当にこんなに払う必要があるの?」
そんなふうに感じたことはありませんか?
実は、生命保険は一度加入すると見直す機会が少なく、不要な保障が含まれていたり、家族構成やライフステージの変化に合っていないまま払い続けているケースも少なくありません。
この記事では、「保険料が高い」と感じている方に向けて、ムダのない生命保険に見直すための具体的な方法を解説します。特に「遺族年金」と「収入保障保険」に注目しながら、無理なく必要十分な保障を持つための考え方を紹介します。
なぜ保険料が高くなるのか?その原因を知る
加入時にしっかり設計していないケースが多い
多くの人が、結婚や出産などのタイミングで慌てて生命保険に加入します。その際、「なんとなく不安だから手厚くしておこう」と、実際に必要な金額よりも多めの保障を契約してしまうことがあります。
公的保障を考慮していない
実は、日本には公的な保障制度が整っています。その代表が「遺族年金」です。これを考慮せずに保険だけで万が一の備えをしようとすると、必要以上の保障額=高額な保険料になってしまうのです。
【見直しのポイント①】遺族年金をしっかり確認する
遺族年金とは?
遺族年金は、家族の働き手が亡くなったときに、残された配偶者や子どもが受け取れる公的年金です。厚生年金に加入していた人が亡くなった場合、「遺族厚生年金」「遺族基礎年金」が支給されます。
例)会社員の夫(40歳)+妻(専業主婦)+子ども3人の場合
→ 夫が亡くなると、年額150万円~200万円前後の遺族年金が支給されるケースが多いです。
保険で補うのは「足りない分」だけでOK
このように、公的保障だけでもある程度の生活費はまかなえます。ですので、生命保険で準備すべきなのは**「遺族年金で足りない生活費」**だけです。
仮に毎月の生活費が30万円で、遺族年金が月12万円受け取れるなら、差額の18万円だけを保険でカバーすれば十分なのです。
【見直しのポイント②】収入保障保険を活用する
収入保障保険とは?
収入保障保険は、被保険者が死亡したときに、一定期間、毎月一定額が支払われる保険です。年金のように分割で受け取れるのが特徴です。
【例】保険期間:60歳まで、月額10万円の場合
→ 40歳で亡くなると、60歳までの20年間、毎月10万円=総額2,400万円が支給されます。
必要な時期に必要なだけ保障される合理的な保険
収入保障保険の大きなメリットは、「時間とともに必要保障額が減ること」を前提として設計されている点です。
子どもが成長するにつれて教育費や生活費の負担は減っていきます。そのため、最初から定期保険で数千万円の一括保障を契約するよりも、収入保障保険の方が合理的かつ保険料も安く済みます。
保険の見直しのタイミングは?
以下のようなライフイベントがあるときは、保険の見直しを検討するのに最適なタイミングです。
- 結婚・出産したとき
- 子どもが小学校・中学校に入学したとき
- マイホームを購入したとき
- 転職・独立したとき
- 配偶者が働き始めたとき
- 子どもが独立したとき
特に、子どもの成長とともに必要な保障額は確実に変化します。定期的にチェックして、今の自分たちに本当に必要な保障かを確認しましょう。
保険料を下げても安心は確保できる
「保険料を下げる=保障を削る」というイメージがあるかもしれませんが、実際はそうではありません。
- 遺族年金をしっかり考慮する
- 無駄な終身保険を解約・減額する
- 高額な医療保険や特約を見直す
- 収入保障保険など、合理的な商品を選ぶ
これらを実行することで、保険料は下げつつも、必要な保障はしっかり確保することができます。
専門家に相談するのも一つの手段
保険の仕組みは複雑で、自分だけで見直しを行うのが難しいと感じる方もいるでしょう。そんなときは、ファイナンシャルプランナーや保険代理店に相談するのもおすすめです。
注意点としては、「特定の保険会社のプランしか紹介しない」代理店ではなく、複数社の商品を扱っていて、中立な立場で提案してくれる専門家を選ぶことが大切です。
まとめ|「なんとなくの安心」にお金を払い続けないために
生命保険は、万が一のときの大切な備えですが、同時に毎月の保険料は家計に大きく影響します。
「本当にこの保険料、必要?」と一度立ち止まって考えてみることで、家族の未来も、今の生活も守ることができます。
- 公的な遺族年金をしっかり確認する
- 必要な金額だけを収入保障保険でカバーする
- 定期的にライフステージに応じた見直しを行う
これらを意識することで、無駄のない、安心できる保険設計が可能になります。
まずは現在の保険証券と家計を見直してみましょう。そして、「必要な保障」と「支払える保険料」のバランスを見極めて、納得のいく保険を考えましょう。