人生には「万が一」がつきものです。特に子育て世代や住宅ローンを抱える家庭にとって、万が一の備えとしての生命保険は大きな安心材料になります。しかし、保険の種類が多すぎて、「どれを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

今回は、よく比較される「定期保険」と「収入保障保険」の違いについて解説し、それぞれの特徴やどんな人に向いているのか、さらに収入保障保険の合理性についても詳しくお伝えします。


まずはそれぞれの保険の特徴を理解しよう

定期保険とは?

定期保険は、一定の保険期間(例えば10年、20年など)に限定して保障が続く保険です。被保険者がその期間中に亡くなった場合に、保険金としてまとまった金額(一時金)が遺族に支払われます。

たとえば、「30歳から60歳までの30年間、死亡保障3000万円」といった形で契約します。この間に万が一のことがあれば、家族に3000万円が一括で支払われる仕組みです。

メリット:

  • 保険金額が明確で高額な保障が得られる
  • 保険料が比較的安価(特に若いうちに契約すれば)

デメリット:

  • 期間満了後は保障がなくなる
  • 長期間の保障にすると保険料が高くなる
  • 遺族が一括で大金を受け取るため、資金管理が必要

収入保障保険とは?

収入保障保険は、被保険者が亡くなった場合に、月々定額の保険金を一定期間受け取れるタイプの保険です。定期保険と同じように保険期間が定まっていますが、特徴的なのは「保険金の支払方法」です。

たとえば、「60歳まで、毎月20万円を支給」といった契約で、40歳のときに亡くなった場合、残り20年間にわたって毎月20万円(総額4800万円)が遺族に支給される仕組みです。

メリット:

  • 月々の生活費として受け取れるため、家計管理がしやすい
  • 必要保障額に応じて保険金が減る仕組みなので、合理的
  • 定期保険よりも保険料が割安になる場合が多い

デメリット:

  • 受け取る金額が一括ではない(教育費などで一時的に多額の資金が必要な場合に不向き)
  • 途中でインフレなどが起きた場合、実質的な保障額が目減りする可能性がある

それぞれ、どんな人に向いているの?

定期保険が向いている人

  • 一括で大きな資金が必要なケース(住宅ローンの一括返済、大学進学の費用など)
  • 高額な保障を確保しておきたい人
  • 保険金の使い道を自由にしたい人

収入保障保険が向いている人

  • 毎月の生活費を補いたいと考えている子育て世代
  • 無駄のない保障を合理的に備えたい人
  • 共働き家庭で、片方の収入をカバーしたい人
  • 将来にわたって長期間の保障が必要な人

収入保障保険はなぜ合理的なのか?

収入保障保険の最大の魅力は、必要保障額に応じて無駄のない保障が組めることにあります。

子どもが小さい時期は、教育費や生活費に多くのお金が必要ですが、子どもが成長して独立するにつれて、必要な保障額は自然と減っていきます。収入保障保険は、この考え方にマッチしており、時間の経過とともに保険金の総額も減少する設計になっています。

これにより、必要以上の保障を抱えることなく、実際に必要な金額を必要な時期に受け取れるという点で非常に効率的です。また、定期保険に比べて保険料が安くなるケースも多く、家計に優しいというメリットもあります。


定期保険と収入保障保険、どちらを選べばいいの?

保険選びで大切なのは、「何に備えるか」という目的を明確にすることです。

  • 一括でまとまったお金が必要なら「定期保険」
  • 毎月の生活費を補いたいなら「収入保障保険」

とシンプルに考えてよいでしょう。また、実際には両方を組み合わせて使うという選択肢もあります。たとえば、教育費として一括で必要になる分を定期保険でカバーし、生活費を収入保障保険で補う、といった設計が可能です。


まとめ:目的に応じて合理的な保険を選ぼう

生命保険は、「安心」をお金で買う仕組みです。ただし、その安心が「過剰」になってしまうと、保険料が家計を圧迫しかねません。だからこそ、保険は「必要な保障を、必要なときに、必要なだけ」備えることが大切です。

収入保障保険は、合理的でムダのない設計が特徴であり、特に子育て世代や共働き家庭にとっては、非常に頼もしい選択肢です。とはいえ、一括の資金が必要になる場面もあるため、定期保険との併用も視野に入れて、自分のライフプランに合った設計を行いましょう。


あなたの「もしも」に、ぴったり合う保障を。保険は“安心の設計図”です。ライフステージに合わせた見直しも、忘れずに行っていきましょう。